本のふるさと

Posted on 05/12/2010

製本屋さんに見学に行った。

15時、江戸川橋にある博勝堂へ。

ここはみすず堂にならんで、有名な製本屋さんで装丁家必読のデザイン雑誌「デザインのひきだし」の巻頭コーナー「装丁道場」の見本本を作ったりもしている。この「装丁道場」は、さまざまな装丁家に「注文の多い料理店」「我が輩は猫である」などの古典名作の本を、この誌上のためだけに作らせるという人気コーナー。(作った本は書店にはならばないが、数冊分はちゃんと印刷・製本してしまう!)
毎回おかしな造本を思いつき、無理難題な注文をする装丁家たちに応えているのが博勝堂さんだ。専務いわく「うちでできないことはありません!」と心強い。

さっそく手製本の現場を見せてもらう。

長い作業台に10人ぐらいの男女がもくもくと働いている。スピンをつける人、専用の断裁機でひとつひとつ角丸にしていく人、表紙貼りをする人、まとめて山にして重石を乗せる人など、みな流れ作業だがベルトコンベア仕掛けのそれとは雰囲気が全然違う。
本文と表紙をはりあわせる機械を実演してもらったり、あれこれ質問をしたりする。手勢本グループはときどき冗談をいいながら、てきぱきと本を作る。小さい会社だから、普通の社員に混ざって社長さんも製本している。なんだかいいなぁ。

一階に降りて、丁合・折り・断裁のフロアを見学。こちらは機械中心。
アルバムなどの用途の貼り合わせページを作る張り込み機など、いろいろなおもしろ機械がある。

断裁機でもくもくと三方断ち落としをしている人。昔は断裁機で指を落とす人が多かったと聞いたことがある。職人さんは一冊一冊真剣に刃頭をみて見定める。真剣な背中。しびれた。

一枚の大きな紙が、折られ、合わされ、綴じられ、切られ、貼られ、一冊の本になっていく姿はまさに「本のふるさと」。

もやもやとしたかたまりが、削られ研がれ美しい形として立ち上がってくる感覚。

ああ、こんな工場が近所にあったら毎日通ってしまうなぁ…!

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