news – Ambooks https://tamon.in アムブックス Sat, 02 Jul 2022 12:34:32 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.2.9 https://i0.wp.com/tamon.in/wp-content/uploads/2019/06/cropped-logoicon.png?fit=32%2C32&ssl=1 news – Ambooks https://tamon.in 32 32 163827236 生まれ変わった『本とはたらく』 https://tamon.in/news20220529/ https://tamon.in/news20220529/#respond Sat, 28 May 2022 15:35:00 +0000 https://tamon.in/?p=6543  2014年につくった『偶然の装丁家』。

 これはぼくの最初で最後の半生記です。初版から8年という月日が流れても、いまだにこの本を注文してくれる書店さん、読んでくださる読者のひと、友だちにいいよ~と薦めてくださるひと、がポツポツとあります。ほんとうにありがたいことでした。

 その一方、版元晶文社では在庫切れのまま、増刷してもらえず、ついに絶版という扱いに……。読みたくても手に入らない、という声も聞くようになって、これはどうにかしないといけないなぁ、と思っていました。

 そんな矢先、河出書房新社が声をかけてくれました。当初は文庫で出す案もあったのだけど、単行本で出し直すのもいいんじゃない? ということで、タイトルも装丁も変えて、新章(なんと3.5万字、書きすぎ!)を書き下ろし、あたらしい本として刊行されることになりました。

 生まれ変わった本のタイトルは『本とはたらく』です。

 このタイトルについて、ぼくは本書のあとがきでこのように書いています。

 『本とはたらく』は文字通り、本をつくる、届けることを生業にしているぼくの物語だが、それだけではない。「本」と「はたらく」の間には、数え切れない人たちのちいさな物語がひしめきあっていて、その分母はとてつもなく大きい。あくまでも本は媒介でしかなくて、ぼくが語りたいのはいつも「人」のことだ。
 生きている人も亡くなった人も、子どもも大人も、一見すると本づくりとは関係のない仕事についている人たちまで、あらゆる営みが本をつくる力になっている。デザインや本の話にとどめず、『本とはたらく』が自分たちの生活の地続きにあるんだな、と少しでも感じてもらえたらうれしい。

 『偶然の装丁家』を読んだ人も、読んだことのない人も、本づくりなんて興味ない人も、みんなに読んでもらいたい一冊です。

 自分でいうのもなんだけど、めっちゃおもしろい。損はさせません。三十代から四十歳までのぼくの熱がぎゅーっとつまって、文章からあふれています。たぶんもうこういうものは書けないんじゃないかな。

 ちなみにあたらしい装丁では、漫画家の香山哲さんがイラストを描いてくれました。ぼくは彼の漫画『ベルリンうわの空』が大好き。まさか香山さんの描く世界に自分がはいりこめるなんて! うれしすぎます。絵のなかには、ぼくやそのまわりで生きる人達の姿も見つけられます。

 かんたんですが公式サイトも公開しました。本のほうはAmbooksのオンラインストアでも取り扱いスタート。サインとポスカード付き、しばらく送料無料キャンペーン中なのでちょこっとお得です。どうぞよろしくお願いします。


『本とはたらく』

http://tamon.in/book/honto/

 

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新刊『美しいってなんだろう?』 https://tamon.in/news20220519/ Thu, 19 May 2022 13:30:04 +0000 https://tamon.in/?p=6531  あたらしい本、『美しいってなんだろう?』が世界思想社より出版されます。

 この本は京都の出版社、世界思想社のwebマガジンで、ここ二年間ほどかけて、ぼくと娘のふたりで連載していたエッセイがもとになっています。

 ぼくがインドや日本で美しいと感じた瞬間、風景、ひと、モノ、ことば、音……にまつわるエピソードをつづり、それを読んだ娘のつたが、アンサーのようにつぶやきを返す。そうして、13のちいさな物語を書きました。とちゅう、何度もなげだしそうになりましたが、こうしてかんじのよい、かわいらしい本のかたちにおさまって、うれしいです。ぼくがこれまでつくった本のなかでもぐんを抜いて美しい本です。

 公式サイトでは「はじまり」が読めるほか、各章からの引用と写真、さまざまな方たちからの推薦コメントなども掲載しています。

 また、初版100部限定で、特装版もつくります。(なんと100部、一冊一冊みんなデザインが違う特製ジャケットにつつまれています! ほかにも特典がてんこもり。超お得です)
こちらはすでにたくさん注文いただいていますので、気になる方はお早めにご予約ください。もちろん、通常版も全国書店にて発売しますので、どちらもよろしくお願いします。




矢萩多聞、つた(世界思想社刊)
2022年5月30日発売

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美しいってなんだろう https://tamon.in/n20200108/ https://tamon.in/n20200108/#respond Sat, 08 Feb 2020 08:11:19 +0000 http://tamon.in/?p=6312  去年、『文化人類学の思考法』という本の刊行イベントがきっかけになって、京都の学術出版社、世界思想社の望月さんから「インドの美を語るフォトエッセイを書きませんか」と依頼をいただいた。世界思想社というとお堅い出版社のイメージだったけれど、もうすこしやわらかいところで「せかいしそう」という新しいWEBマガジンをはじめるから、そこに掲載してくれるのだという。

 インドの話はいくらでもできるし、へんてこな写真もいろいろあるにはあるが、あちこちに書き下ろし本の原稿をおまたせしているぼくとしては、ほいほいと依頼をうけるわけにはいかない。何人もの編集者の顔が思い浮かんで、はじめはお断りしようと思っていた。しかし、「気分転換にどうですか?」と連載をすすめてくる望月さんと話しているうちに、写真メインで1000字くらいの短文ならばやれる気がしてきた。

 トークイベントや書店で自分のことを話してきたが、思い出話ではなく、いま直面している問題や関心事や、思い浮かんだ風景をぱっと書きとどめておく場所があったらいい。それもぼくのひとり語りではなく、8歳の娘もまきこんで、対話のような、往復書簡のような連載はできないだろうか。企画はころころ転がり、気がついたら連載をやることになった。

 「美しいってなんだろう?」というタイトルはすぐに浮かんだ。
平野甲賀さんのパートナーの公子さんが「わたしたちはどんな本も催しものも、しっくりくるタイトルが決まって、甲賀さんが字をつくれば、もうできたも同然って気になるのよ」と、言っていたのを思い出した。
ここでどんなものを書いたらいいのかはわからない。でも、序文の第0回の文章にあるように、「流れゆく雲のようにあてどもないものを書こう」と思っている。ぼくの文章に娘がどのような感想やつぶやきを寄せるかも、はじめてのことでドキドキである。

 

 つねにストックのある状態ではじめたいから、原稿は夏ごろからすこしずつ書き始めた。第1回はネパールの話にしようとなんとなく決めていたので、横浜の実家に連絡して、母に昔の写真を送ってもらった。10月、ワークショップや出張の合間をぬって、ちくちく原稿を書いた。8割方できあがって、あとはざっと直して、すぐ編集部におくるつもりでいた。

 高松の瀬戸内アートブックフェアでの出展を終えて京都に戻ってきた翌日。借りていたレンタカーを返す途中、追突事故にあった。ぼくの車は完全に停止していたのだが、後ろからきたトラックが止まりきれずドーンとぶつかったのだ。警察や保険会社、レンタカー屋などと話しているときはハイで分らなかったが、帰宅すると首背中腰が鉄板を背負ったみたいに重く痛い。ムチウチみたい。その日はすぐ寝て、翌日もしんどくて昼近くまで横になっていた。まどろみのなか、電話がバイブモードで何回か鳴っている。とれないままでいると、そのあと妻のところにもかかってきて、すぐ起こされた。電話はインドの友人からで、今日の朝ぼくの母が倒れたという報せだった。

 それからの日々は断片的にしか思い出せない。まず、ぼくと兄がインドに飛び、遅れてぼくの家族、兄の家族も来た。いくつか回復のチャンスもあったが、いろんな条件が許さず、母は11月8日に息をひきとった。ヒンドゥー式の火葬で荼毘に伏し、母の荷物を整理して、面倒な手続きをして遺骨を日本に持ち持ち帰るまで1カ月がかかった。ずっと長い夢を見ているようだった。

 日本に帰ってきて、ぼんやりとした日々をおくっていたが、なんとか「美しいってなんだろう?」の第1回を書き上げようと何度もパソコンを開いた。
はじめて訪れたカトマンドゥのことを書こうと思っているのに、母のことに話が寄っていってしまう。1行書いてはいろいろなことを思いだし、1行消して、また1行書いて……文章はまったく進まなかった。母についてはエピソードがあまりにも多すぎる。追悼文のようなものも書く気にはなれない。悩んだ末、大筋は彼女が亡くなる前にぼくが書いていた文章をそのまま使うことにした。語りきれていない気持ちはあるが、たぶんいまは、どんなに書き直しても納得いく文章にはならないだろう。

 娘はぼくの原稿を読んで、すてきなコメントを返してくれた。あかねさん(ぼくの母)のことは書かないの? と聞いたら、「みじかくは書けないし、何日かかるかわからないから」と娘。ぼくもおなじ気持ちだよ、といった。
娘は母が亡くなった後すぐに、インドの家で風邪をひいて寝こんでいたのだが、熱が下がりはじめると寝床に寝転がったまま、猛然としたイキオイで日記を書いていた。書いては消し、消しては書いて、三日後、日記帳をぼくに見せてくれた。そこには自分が祖母の報せを聞いて、インドにきて、病院に見舞い、お別れをして、火葬されるまでの数日間のことが、彼女の目線で、静かに素直に書かれていた。祈りに満ちたすばらしい文章だった。

 母が亡くなったことをずっとWEBでは書いてこなかった。なぜか書けなかった。仕事や付き合いの上、告げる必要があるごくわずかな人にしか、まだ知らせていない。失礼があったかもしれないけれど、どうか怒らないでほしい。これについては、ゆっくりやっていこうとおもう。
日本では葬式を行わないので、母が最後に仕入れていたものを並べて、お別れ会を実家のお店でやろうと思っている。お客さんにはそれぞれ手紙でお知らせするつもりでいる。

 おもいがけず、「美しいってなんだろう?」のスタートはこんなふうにはじまった。
いろんな気持ちがいったりきたりする第1回となったが、読者から嬉しい感想が届いて、しんどかったけど書いてよかったなあ、とおもっている。素焼きの広場の写真は当時のぼくが撮ったもの、バングル屋の写真は一昨年バンガロールに来てくれた三輪舎の中岡さんが撮ったもの。後者の写真も後ろ姿だか母が写っている。
毎回の原稿料は山分けすることにしたので、娘はほくほくだ。「学校行っていないけど、原稿書いてるんだから!」と鼻の穴をふくらましている。
これからも月1回、まぶたの表と裏を行き来しながら、いくつもの窓を開け、娘とともに美しい風景を見つめていきたい。


美しいってなんだろう

web せかいしそう

第0回 美しき「問いかけ」 2019.10.18
第1回 美しき「カトマンドゥ」 2020.1.31

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「本の縁側」閉幕、そして https://tamon.in/n20190628/ https://tamon.in/n20190628/#comments Fri, 28 Jun 2019 13:53:00 +0000 http://amam.heteml.jp/ambooks/?p=5482 3月末から京都dddギャラリーにて開催された「本の縁側 矢萩多聞と本づくり展」が盛況のうち閉幕。準備しているときは、ほんとうにお客さんが来てくれるのか、来ていただいても展示を楽しんでもらえるのか、とても不安でしたが、おかげさまで多くの方がご来場くださいました。6月19日はクロージング・トークで春風社の三浦衛さんと対談。本をつくりはじめたころの懐かしい話がつぎつぎと飛び出し、原点に返る思いがしました。

翌日は朝から搬出。500冊超の本たちは一旦コンテナにつめられて、dddギャラリーで保管されたのち、次の会場に向けて旅立ちます。

京都の展示はこれでおしまいですが、なんと、このあと日本各地を巡回します! つぎの縁側は、石川県・野々市市の「ののいちカレード」で9月26日~10月15日まで開催予定です。野々市の会場はdddギャラリーの倍以上の面積ということで、さらにパワーアップした展示を計画中です。北陸のみなさん、どうぞよろしくお願いいたします。

なお、すでにFacebookなどでは一ヶ月ほど前から告知していましたが、おもうところありまして、6月23日をもって、TwitterとFacebookを辞めることにしました。SNSアプリを消したスマホはすっきりして、気分がとても身軽になりました。今後はこちらのウェブサイトもより充実させつつ、本づくりと絵とワークショップの三つどもえで、精進してきたいとおもいます。どうぞ改めて矢萩多聞をよろしくおねがいいたします。

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